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Ein Programm der Universität Leiden
タイタンのまきあがったちり
1. October 2018, Osaka

今までちりの嵐(あらし)が見られるのはたった2か所だけ―地球と火星だけでした。しかし最近になって、土星の一番大きな衛星(えいせい)であるタイタンでも、ちりの嵐が起こっていることがわかりました。このニュースのすごいところは、それが2017年に土星にしょうとつしたカッシーニ探査機(たんさき)によって発見されたということです!

カッシーニは1997年に打ち上げられ、土星とその衛星をしらべるために太陽系を飛びつづけました。13年間、熱心に使命を果たし、私たちに土星の雲の上でおどるいなづまの嵐を見せてくれたり、できたての氷が今も土星の巨大なリングにどんどん送りこまれていることや、他にもたくさんのことを明らかにしたりしました。

ざんねんながらカッシーニは、去年任務(にんむ)をおえて土星に突入しました。カッシーニは土星の強い重力と濃(こ)い大気の圧力によってこなごなになり、蒸発しました。

ハリー・ポッターがダンブルドアのペンシエーヴで記憶(きおく)をさぐるようにして、科学者たちはカッシーニがのこしたデータをくまなくしらべてきました。そしてタイタンで2009年にきみょうな現象を見つけたのです。それは本州くらいの大きさの(時にはその倍くらいの)エリアが、数時間から数日間ものあいだ明るくかがやいていたのです。 もともと、これらは巨大な嵐の雲であると考えられていました。タイタンはおもしろい世界です。このようにぶあつい大気がある衛星はほかにありません。またタイタンには湖や海、川がありますが、そんな場所は太陽系の中で惑星(わくせい)以外ではタイタンだけです。

ただし大きなちがいが1つあります。地球では海や川にあるのは水ですが、タイタンでは海や川にある液体はおもに「メタン」と呼ばれる化学物質(かがくぶっしつ)でできています。 地球の水のサイクルと同じように、メタンはタイタンに気候を作ります。大気の中をのぼっていって雲を作り、雨となって地面にふってもどってきて、また同じサイクルをくりかえします。

タイタンの天気も季節によって変わります。一年のうちのある時期に、このふつうの雨雲がはげしい嵐に変わるのだろう、とタイタンで2009年に起った現象を見た科学者たちは考えました。 ところがもっとくわしくしらべてみると、このかがやいているエリアは雲とするには地面に近すぎることがわかりました。さらに、あちこちにあるこの明るい部分はすべてタイタンの砂丘の上に現れていたこともわかりました。科学者たちはすぐに、これが雲ではなく何かまったく別のものであると気づきました。これはちりの嵐だと考えたのです。

はげしい嵐が始まる前に強い風がおこって、雲のすぐ下の丘の砂をまきあげて巨大な砂の雲をけりあげていたのです。この新しい発見のおかげで、タイタンは思ったより地球に似ていることがわかりました。カッシーニは引退したあとも、まだいろんなことを私たちに教えてくれています!

知っ得ダネ

タイタンでちりの嵐が見られたのはこれがはじめてですが、実はそんなにびっくりすることではありません。2005年にカッシーニがタイタンの表面に小さなロケットを発射しましたが、それが着陸するとちりが少し大気中にまいあがったのです。 このSpace Scoopは、ESAの報道発表によります。

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